気温の寒暖差が激しい時や疲れが溜まっている時…そんな時に『自律神経失調症』という言葉をよく聞きませんか?
自律神経失調症とは、原因は不明だけど何だか体調が良くない…という時に疑われる症状です。
実はこの症状、脇汗や手汗がひどい事と深い関係がある場合があるんです!
そこで今回は、自律神経と脇汗・手汗が増える多汗症にはどんな関係があるのかを、原因と改善方法も合わせてご紹介します!
自律神経ってなんだろう?
自律神経ってなんとなーくどこかで聞き覚えがあるのではないかなと思います。
既に知ってるよ!という方も、あんまりよく知らない…という方も、今一度一緒におさらいしてみましょう!
まず、神経は中枢神経と末梢神経に分類されます。中枢神経は脳と脊髄、末梢神経はそれらから枝分かれして全身に伸びている神経です。
末梢神経は更に二つに分かれ、自分の意志でコントロールし体を動かす神経を体性神経、無意識下で体の様々な機能を調節しているのが自律神経です。
自律神経とは…
自律神経は私達が意識的にコントロールしなくても、自発的に体の中で働いてくれています。
例えば、普段呼吸をする時は特に意識はしていないと思いますが、いつの間にか吸って吐く動作をしていますよね。また、食べ物を消化する時も勝手に内臓が動いてくれていると思います。
最も重要なのが心臓です。こちらも意識的な命令なく動いて血液を送り出しています。
そういった生命維持に不可欠な体内活動を管理しているのが自律神経なのです。
さて、そんな自律神経も役割によって2種類の神経に分かれています。
交感神経について

2種類の内の1つは交感神経。別名『闘争と逃走の神経』とも言われます。
こちらの神経が活発に働くのは昼間や人間の体が活動的な状態にある時。
交感神経が活動している時は血圧や心拍数が上がり、汗腺は発汗します。まさに私たちが運動などで激しく動いている時の状態ですね。
また、2種類の自律神経は一方が優位(活性化)にある時、もう一方は休息状態にあります。つまり、積極的に活動するのは常にどちらか一方の神経だけ、という訳なのです。
副交感神経について

もう1つは副交感神経です。
この神経は夜間や人間の体が休息状態にある時、活発に働きます。
副交感神経が活動している時は血圧や心拍数は下がり、体はリラックスしている状態にあります。また、消化管運動も促進されます。
交感神経と副交感神経は均衡が保たれており、活動しているタイミングも働きもお互いに真逆という訳なのです。
自律神経失調症とは?
では、自律神経失調症とは何かと言いますと、その名の通り、自律神経の…交感神経と副交感神経の調子が狂い、正常な働きができなくなる事によって、様々な体調不良が引き起こされている状態の事です。
症状としては、原因の分からない頭痛や体のだるさ、発汗が増える、耳鳴りがする…などといった体の症状や、イライラや情緒不安定、うつ状態、人間不信などの心の症状が見られます。
これらの症状は人によって様々であると共に、程度も個人差が大きい疾患です。その為に診断がしづらい症状とも言われています。
自律神経失調症と汗の関係は?
自律神経の内、発汗を促すのは交感神経の方だという事が分かりました。
では、この交感神経と副交感神経のバランスを整える事が、脇汗・手汗の改善に繋がりそうですね。
この項では自律神経と汗の関係について探ってみましょう。
精神的なストレスが交感神経を刺激する
緊張した時や不安な時、イライラした時など…そんな状況で汗をかいた事はありませんか?
ドキドキして手汗がひどくなってしまった時もあるのではないかと思います。
これは発汗現象の一つで精神性発汗と言われています。
原因は解明されていない事もありますが、精神的なストレスが交感神経に刺激を与えて発汗を促進させるのではないかと考えられています。
焦りはどんどん交感神経を刺激して逆効果!
汗が止まらくて大変だし恥ずかしい!早く止めなくては…と思っても汗は一向に止まらなくて更に焦ってしまい…と、このようなループに陥る方もきっと少なくないはず。
焦れば焦るだけ、不安になればなるほど、それだけ神経が刺激されて発汗が促進される原因になってしまいます。
しかし、そんな状況で落ち着けと言われても難しいですよね。
こんな時に気持ちを落ち着かせるにはどうすればいいか、という改善策はまた後程詳しくご紹介したいと思います。
今、ストレス溜まっていませんか?
今は特に不安も何もないのに…と思っていても、実はストレスの原因となる小さな出来事が密かにどんどん溜まってしまっているかも知れません。
そうした気付かないストレスが交感神経が活発になる理由を作ってしまっている可能性もあります。
特に今はストレス社会と言われるくらいストレスが溜まりやすくなってしまっています。
自分の中に気付かない、あるいは見て見ぬふりをしているストレスはないか、ちょっと振り返ってみてはいかがでしょうか?
あなたの生活習慣が交感神経を活発にさせている…?
また、交感神経を刺激するのは精神的な原因だけではありません。
日頃の生活習慣によって体が落ち着かず、交感神経がずっと優位な状態になってしまっているかも知れません。
例えば不規則な生活や夜更かし、質の悪い睡眠など。もしくは体がずっと戦闘態勢の様になっている心当たりはありませんか?
交感神経を刺激している原因を何とかする、と言ってもその原因は人によって様々です。
すぐに改善できるものもあれば、解決には時間がかかるものもあるかも知れません…。
自律神経が原因の脇汗・手汗改善方法とは!
では、ここからは自律神経が原因となって起こっている脇汗・手汗の改善対策についてお話を進めていきましょう。
ポイントは、交感神経の活発な状態を抑えて、自律神経同士のバランスを整える事です。
深呼吸してみる
自律神経を落ち着けて改善しよう作戦、まずはゆっくり深呼吸してみましょう!
体の力を抜いて目を閉じ、ゆっくり深く呼吸します。ポイントは息をしっかり吐く事。
吸う方ばかり気にしてしまいがちですが、息をなるべく吐いてしまえばその分自然に空気を大きく吸う事ができます。
ただし、これはあくまでも心を落ち着ける為に行うもの。呼吸する事に意識が持っていかれない様に注意してくださいね。
手のひらをマッサージしてみる
ストレスが溜まっているなと思ったそんな時には手のひらを揉み解してみましょう。
すると不思議と何だか落ち着いてくる様な感じがします。
実は手のひらの真ん中あたりには『労宮(ろうきゅう)』というツボがあって、このツボには精神的なストレスを和らげてくれる効果があるんです。
先程ご紹介した深呼吸をしながら、手のひらをぐりぐりとマッサージするとより効果的ですよ!
なるべく気にしない様にする
気持ちを落ち着かせながら、脇汗・手汗をあまり気にしない様にします。汗を止めなければ!と思うほど、どんどん発汗してしまうのを防ぐ対策です。
でも、最初からそんな事できたら苦労せんわ!と思いますよね…。
何もないのに脇汗や手汗が出てしまっていると只でさえ焦ってしまうものですから。しかし、そこを何とか気持ちを落ち着けられるようにしてみてください。
例えば焦る原因とは全く別の、他愛もない事を考えて気を逸らすのも効果的です。可愛い動物の画像や動画なんかを見ると癒されて一石二鳥かも知れません。
体を動かしてみる
軽いランニングやウオーキング、元々運動が好きな方はもっと本格的なスポーツでも良いかも知れませんが、とにかく体を動かすのは良い事です。
また、脇汗や手汗だけではなく、全身から汗を流して汗腺の機能を高める事が改善につながる可能性もあります。
おすすめなのが、ダイエットでも有名な踏み台昇降運動です。この運動は一定のリズムで同じ動きを繰り返すので、自律神経が整いやすいんです。
自分なりのストレス発散方法を見付ける
自分の好きな事や趣味など、何でも構いません。自分で自分に一番効果的だと思うストレス発散方法を見付けてみてください。
ただし、何でも良いといっても、ネガティブな物事はやめておいた方が良いでしょう。
例えば職場の立場の弱い人を虐めるとか、ネットの掲示板で憂さ晴らしするとか。
そういった事は一見スカッとする様な気もしますが、それがあくまで一時的なもの。そんな事をしていると実はストレス解消どころかどんどん溜まっていってしまいます。
なのであくまでも前向きな良い事でストレス発散する様にしましょうね!
生活習慣を見直してみる
規則正しい生活は体調を整える上で非常に重要な事だと言えます。
夜更かし気味の方は早寝早起きを心がけたり、なるべく決まった時間に食事を取る様にしたり。
お風呂をシャワーで済ませている方は湯船に浸かるのも良いでしょう。
また、よく言われていますが、就寝前にスマホやパソコンを使っていると画面から出ているブルーライトが質の良い睡眠をとる妨げとなってしまいます。
ですので、眠気がくるまでスマホを触っていたい気持ちは非常によく分かりますが、本当は寝る前のスマホは控えた方が良さそうです…。
自律神経が脇汗・手汗の原因?改善方法は?まとめ!
日々の生活って何かとストレスが溜まってしまいますよね…。
お客様や取引先に頭を下げまくったりだとか、何かと理不尽な事ばかりあったりして疲れてしまいますよね。
そんな時に活発になってしまう交感神経を抑えられるよう、自分なりのリラックス方法を見付けて、自律神経のバランスを上手く取ってあげてくださいね!