「ゆとり世代」とは現代社会の若者の代名詞でもある呼び方である・・・
いつからかはじまったゆとり教育、それは過去の詰め込み教育に代わる日本の教育の大きな転換であり、後に日本の社会問題につながる原因にもなっているとか、なっていないとか。
ゆとり世代の年齢は現在のいくつくらいの人を指すのか、新世代さとり世代との特徴の違いとは。
ゆとり教育と社会のあり方について追究します。
目次からササッとチェック
ゆとり世代とはいつから始まった?
現在ではゆとり教育は失敗だ!なんて言われることもありますが、ゆとり教育は日本の教育の様々な問題を解決する策でした。
ゆとり世代が生まれるまでにはこんな過去がありました。
詰め込み教育の打開
ことの始まりは、1972年に日教組が詰め込み教育を問題視し、学校5日制を提唱したことにあります。
その後、学校社会でのイジメ、暴力、自殺などの問題が発覚。
詰め込みや締め付けが反発を生むということで、学校教育に「ゆとりと充実」をもたらすことを目指す取り組みが始まりました。
ゆとり教育がスタート

具体的には小学校1、2年生の理科社会が生活に代わり、隔週土曜日が休みに移行していきました。
ゆとり世代がいつから始まったと言うならば、この1992年からがゆとり第1世代という区分になるようです。
生まれ年は1987年4月~1988年3月の代なので2018年度で年齢が31歳になる人たちです。
ですので、昭和の末と平成生まれは必然的にゆとり世代以降ということになります。
ゆとり第2世代とは

段階的にゆとり教育が進み、2002年度からは当初の目標であった完全学校週5日制など完全なゆとり教育になりました。
このときに小学校1年生だった世代が、1995年4月~1996年3月生まれの人たちです。
ですので2018年度に23歳になる、まさに今年大学現役で新卒の世代がゆとり教育を最も修学した世代ということです。
この世代になると、土曜日に授業があったことが昔話になるんですね。
脱ゆとり世代
ゆとり第1世代の多くが大学へ進学、社会へ進出した頃、今度は学力低下が問題になり「脱ゆとり」が提唱されるようになりました。
そして脱ゆとり教育が施行されたのが、2011年度です。
つまり、現在の中学生は完全脱ゆとり世代になります。
ゆとり世代とさとり世代の違いや特徴とは?
最近はさとり世代とも言われるようになりましたが、どのように違うのでしょうか。
ゆとり世代とさとり世代の特徴にスポットを当てて比較していきます。
ゆとり世代の特徴
よく「ゆとり世代は〇〇だ」のような主語にされてしまうゆとり世代は第1世代を指します。
しかし、厳密にはゆとり教育以前の教育も受けている世代なのです。
この世代の人の学生時代はバブル崩壊や阪神淡路大震災、就職時期にはリーマンショックで就職氷河期ととても大変な時代でした。
そのため、財布の紐が固い、公務員志望など安定志向の強い世代であると言われています。
その反面、携帯電話の普及、ITバブルなどインターネットが生活の中に溶け込むようになり、コミュニケーションの形も変わっていきました。
ですので大事な連絡も電話よりメールというように、それまで当たり前だった様々な方法が、技術の進歩で変わっていったという時代背景もあります。
さとり世代とは
さとり世代は年齢で言えば現在の20代前半~ゆとり第2世代のことをよく言われています。
さとり世代の特徴は、ゆとり世代の特徴に加えて、欲がない、気の合う人とだけ付き合う、高望みしないなどバブル世代の真逆のような生き方の人が多いです。
実は、ゆとり世代とさとり世代は別物というわけではなく、教育的観点ではゆとり世代ですが精神的観点でさとり世代ができたと考える方がよいと思います。
というのも、さとり世代は現代社会だけでなく、ゆとり世代の姿から生き方を悟ったからです。
さらに、さとり世代ができたのは、ゆとり世代を揶揄表現として使われることに対する反発だとも感じます。
直接反発の声を上げるのではなく、名前を変えることで区分しようとするのもまた、さとり世代らしさなのかもしれません。
ゆとり世代はなぜ批判されるのか
「これだからゆとりは~」なんて言葉を聞いたことはあるかと思います。
ひどいものだと、ゆとり世代を社会のお荷物のメタファーとして使うメディアもあります。
これは、教育のせいなのでしょうか?
私はそうは思いません。それだけに限りません。
時代と結び付けられたゆとり世代
他の要因として、経済や環境の社会的な変化全てが作用しているはずです。
それは、ゆとり世代に限ったことではありません。
どの時代も若者は時代の象徴です。そして他の人々が自らの経験と過去を若者と比較します。
そこに現在、「ゆとり世代」という表現しやすいワードがあったから、このように言われるのです。
日本人というのは、スポーツの「〇〇ジャパン」のように、注目する対象になにかと名前を付けたがるのです。
おそらく、これから数十年経つと対象がゆとり世代から平成の次の元号生まれにシフトしているでしょうね。
ゆとり教育は失敗だったのか
どうも、世間ではゆとり世代の悪い特徴ばかりクローズアップされますが、ゆとり教育は日本の教育の失敗なのでしょうか。
その前に何を以って失敗と判断するかです。
詰め込み教育の問題点であった学校内暴力や自殺などを減らし、学校生活にゆとりを持たせることがゆとり教育の目的でした。
もちろんそこには学力向上も忍耐力を鍛えるという目的もないのです。つまり、詰め込み教育の悪い面を失くすことができればゆとり教育は成功なのです。
そして現在、学力面での問題が生まれ、その解決策としてまた学習指導要領が改定されています。教育は刷新され続けていくべきものですし、ゆとり世代もまた人生において試行錯誤する、これからの世代でもあります。
もしかするとゆとり教育の成功か失敗かという命題は愚問なのかもしれません。
さとり世代とゴールデンエイジ

偶然なのか、さとり世代というのはスポーツ界において優秀な選手が多くいます。
中でも優秀な選手の多い年度をゴールデンエイジと呼びます。
これが最近では1994年度生まれでさとり世代、完全ゆとり第2世代の手前になります。
有名な選手で言えば、フィギュアスケートの羽生結弦選手、メジャーリーガーの大谷翔平選手、スピードスケートの高木美保選手、水泳の萩野公介選手など
芸能界に目を向ければさらに数多くいます。
彼らの特徴は、ゆとり教育のメリットである個性を伸ばすところを活かした点が挙げられます。
そのため、スポーツや自己表現の多い俳優等の芸能人に有名な人が多いです。
ゆとり世代前の特徴年齢をもう少し見てみると
何かしら比較され取り沙汰される「ゆとり世代」ですが、ゆとり世代前の方達もゆとり世代と同じく一括りにまとめられているのでしょうか?
どういった特徴でまとめられているのか?年齢・世代はどう?などちょっと先輩たち世代を見ていきたいと思います。
2つ前は失われた世代
「失われた世代」。なんかゆとり世代が可愛く感じるほどの辛い世代ですよね。
なんか、相手にされないってこれほどのものなのか。。。
1970年代から1980年前半生まれを指すその世代は現在の40代が中心です。
バブル崩壊後の景気低迷を直撃したこの世代は就職難が続いたことで「氷河期世代」などとも呼ばれ、また、団塊世代の子供たちに当たることから「団塊ジュニア」などとも呼ばれる世代です。
大学を卒業しても就職できないことが多いことから、勝ち組と負け組に大きく分かれる世代でもあり、同世代でも一番生き方のギャップがある特徴があります。
「プー太郎」という言葉が登場したのもこの世代の特徴ですね。
氷河期とゆとりに挟まれたプレッシャー世代
冷えついた氷河期世代からの脱却を使命に期待を込めて付けられた世代がプレッシャー世代です。
1980年代前半から1980年代後半にかけてですので、現在の年齢では30代が中心になります。
このプレッシャー世代の特徴として、過去からの詰め込み教育を継承しつつ日本の景気回復までも背負い込まれたプレッシャーは半端ないことでしょう。
このプレッシャーから子供たちを解放させるために、後に誕生するゆとり世代が生まれたと言えるでしょう。
ゆとり世代って?年齢や特徴とさとり世代の違いまとめ
世間一般で言われるゆとり世代は、ゆとり教育と詰め込み教育の狭間で育った人達です。
そしてその世代の特徴は「ゆとり世代」という便利な言葉によって抽象化されてしまったと考えています。
現在の年齢で20代前半のさとり世代を30歳前後のゆとり世代の両方の時代背景をみるとわかるように、世代の特徴は様々な要因が影響します。
ゆとり世代と一言で片づけるのは簡単ですが、どの世代にもいろんなタイプの人間がいることを認識すべきであると私は感じます。