近頃社会的な問題となっているのが熱中症。連日ニュースでも熱中症の被害について流れてきますよね…。
数々の報道を見ていても分かる通り、熱中症は本当に怖い症状です。
そして熱中症予防や対策に欠かせないのは水分補給。ですが、ただの水やお茶を飲んでいては実は逆効果なんです。
寧ろ、かえって症状が悪化してしまう事も…。
そこで今回は、熱中症対策に重要な経口補水液について密着!覚えておきたい経口補水液の簡単な作り方をご紹介いたします!
熱中症とは?
…と、その前にまずは、熱中症ってどんな症状?という所から、簡単におさらいしてみましょう。
何となくのイメージでは、暑さに体が耐えきれなくて体調が悪くなってしまう、というのが熱中症かな?…なんていう風に思いませんか?
しかし、熱中症を甘く見てはいけません。実はこんなに恐ろしいものだったんです…。
熱中症はやっぱり恐ろしかった!
熱中症とは、私達の体が高温多湿となっている環境に適応できずに起こる、様々な症状を総称したものです。
日本の夏は高温だけでなく、湿度も非常に高い環境になりがちです。ですので、熱中症を非常に発症しやすい危険に晒されがちなのが現状。
現に、今年(2018年)の夏は特に、熱中症で救急搬送されたり、痛ましい事に亡くなられたりする方の報道を連日目にしますよね。
この様に、熱中症とは命に関わる重篤な症状である事は、繰り返し強調して言わなければならない所です。
熱中症は根性の問題ではない!
本来ならば、この様に命に関わる様な高温多湿の猛暑日は、炎天下での作業や仕事は絶対に控えるべきです。
しかしそうも言っていられないのが現代日本社会。無理に仕事をして体調を崩される方も決して少なくはない筈です。
つい最近になって、ようやく熱中症の恐ろしさが浸透してきたのではないかと思われますが、まだまだ周知が全く足りていないのも事実。
取り返しのつかない状態になってからでは遅すぎるのですが、多くの方が取り返しのつかない事になっていても、社会的に対策が大幅に遅れているのが現状です。
どうか自分の体と命を最優先に、自分の身を守る事もしっかり考えて頂ければと強く思います。
熱中症予防、こんな症状が出たら要注意!
さて、命に関わる重大な問題、熱中症ですが、予防や対策として、一体どんな症状があるのかも知っておく事が大切です。
この程度ならば大丈夫だろう、などと甘く見ていてはいけません。少しでも兆候が出ていればしっかりと対策をする様にしてください。
熱中症の症状は大きく分けて3段階
さて、そんな熱中症の症状には、大きく分類して3つの段階があります。
これは軽度であれば問題ないという事ではなく、軽度の内に対処しておかなければ、どんどん重症化して最悪死に至ります。
自分や周りの方に以下の様な症状が見られないか、よく注意してチェックしてみてください。
熱中症Ⅰ度『熱けいれん・熱失神』
・大量の汗
・めまい
・こむら返り
・筋肉痛
これらの症状が見られたらⅠ度と考えられます。
日陰やクーラーの効いた部屋などの冷所で安静にし、体を冷やすと共に、塩分・水分補給を行いましょう。
症状が改善されても油断はせず、逆に改善しなかったり悪化してきたりした場合は医療機関での診察が必要です。
熱中症Ⅱ度『熱疲労』
・倦怠感
・頭痛
・嘔吐
・判断力、集中力の低下
この様な症状が現れたら、重症度が上がってⅡ度になります。
Ⅱ度症状が起こった時はすぐに医療機関での診察を受ける様にしてください。
熱中症Ⅲ度『熱射病』
・意識障害
・けいれん発作
Ⅲ度の熱中症になると、すぐさま医療機関での診察を受けなければならないだけでなく、入院の必要もあります。
この熱中症のⅢ度の状態を熱射病といい、死に直結する極めて危険な状態です。
熱中症を予防するには?
さて、この様に恐ろしい熱中症の症状が起こる前に、きちんと対策を立てて予防する事も大切です。
熱中症予防に欠かせないのが水分補給ですよね。しかし、単なる水分補給ではダメなのです!
それでは、ここからは熱中症対策に欠かせない経口補水液についてご紹介します。
この経口補水液による水分補給、熱中症対策だけではなく、熱中症予防にも効果はあるのでしょうか?
経口補水液とは?
熱中症対策には、水分補給として経口補水液!…と、この時期よく聞く経口補水液ですが、その実態とは何なのでしょうか?
薬局などでOS-1などの名称で販売されていますが、どうやらただの水や液体ではなさそうですよね。
経口補水液の作り方を知るその前に、まずは経口補水液って何者なんだろう?という所から探っていきましょう。
経口補水液は〇〇を補給するもの?

経口補水液とは、簡単に言えば、水に食塩や砂糖が溶かされて作られたものです。
体に必要な成分の電解質(イオン)を効率良く効果的に摂取できる為、熱中症や脱水症状の時に治療に用いられます。
言わば点滴を口からそのまま飲める様なもの。
経口補水液は素早い水分補給ができる
熱中症や脱水症状は一刻を争う症状で、いち早い水分補給が求められます。
ところが、脱水症状が起こっている時は大腸の機能も落ちていて、水分の吸収ができないどころか、必要な電解質がどんどん体外へ出て行ってしまいます。
そこで活躍するのが経口補水液。体の仕組みとして、小腸で塩分や糖分が吸収される時、水分も一緒に吸収されるというものがあります。
これに注目して、大腸だけでなく小腸からも、効率良く水分や必要な電解質・栄養分を素早く補給できる様に、と開発されたのが経口補水液なのです。
飲用を注意しなければならない場合もあります!
とても便利で頼れる経口補水液ですが、実は飲むのを避けた方が良い場合もあります。
それは健常時の、体に何も不調が起こっていない時や、糖尿病や高血圧、腎臓病などの疾患にかかっている時。
経口補水液には特性上、ナトリウムやカリウムなどが多量に含まれていますので、健常者が飲むとそれらの摂り過ぎになってしまう事も。
また、糖尿病・高血圧・腎臓病などの患者さんも同様の理由があるため、飲用前には必ずかかりつけ医に相談する様にしてくださいね。
経口補水液を美味しく感じる=体調がヤバい?!
飲まれた事のある方はお分かりかと思いますが、経口補水液は飲んでもあまり美味しい味はしません。少し飲みにくい味わいをしています。
しかし、経口補水液に含まれている成分が体に足りていない方が飲むと、なんと経口補水液を美味しく感じたり、普通に飲めたりしてしまうんです。
これによって、経口補水液を飲んだ時に感じた味が、自分の体調のヤバさを知る1つの指標になります。
とはいえ味だけを頼りに体調を判断するのは危険な事ですので、あくまでも簡単な目安の1つとして覚えておいてくださいね。
また、味が美味しくないからといって水で薄めて飲むと、経口補水液の効果がなくなってしまうので絶対にやってはいけません。
ポカリスエットやアクエリアスとの違いは?
水分補給の飲料やスポーツドリンクとして有名なポカリスエットやアクエリアス。
経口補水液(OS-1など)とはどんな違いがあるのでしょうか?
違いとしてはやはり成分。経口補水液の方が含まれている電解質の濃度が高く、糖質濃度が抑えられているんです。
ですので、熱中症などの緊急時の水分補給にはやはり経口補水液を飲むべきなのです。
熱中症予防にも経口補水液の飲むべき?
実は、熱中症予防には経口補水液は向いていません。
先程述べた様に、経口補水液にはナトリウム(食塩)などの成分が多量に含まれているのです。
これを熱中症が起こっていない時に積極的に飲んでしまうと、塩分や糖分を過剰に摂取してしまうという事になるのです。
ですので、重要な水分補給ではあるのですが、熱中症予防としては経口補水液よりもポカリスエットやアクエリアスを飲んだ方がベターという訳です。
経口補水液は熱中症の症状が起こってから、緊急用として飲む様にしてくださいね。
【熱中症対策】簡単!経口補水液の作り方!
経口補水液がどんなものか分かったところで、本題の経口補水液の簡単な作り方をご紹介します。
経口補水液という、ちょっと難しそうな名前の割に、基本の作り方は実は超・簡単なんですよ!
経口補水液の作り方!材料はこちら
経口補水液の材料に入手が難しいものは一切ありません。実は家にあるものだけですぐに作れてしまうんです!
・経口補水液の材料
・水:1ℓ
・食塩:3g(小さじ1/2)
・砂糖:40g(大さじ4と1/2)
経口補水液の作り方!混ぜるだけで完成
手作り経口補水液の作り方は超簡単。上記の材料(水・食塩・砂糖)をよく混ぜ合わせるだけで完成です。
こんな簡単に基本の経口補水液が作れてしまうなんて驚きですよね。
これならいざという時も手軽に作りやすいのですが…1つとても大切な事があるんです。
それは、材料の分量をきっちり図って、正確な分量で作る事。
きちんとした分量で作らなければ、経口補水液の効果がしっかり得られない、ただの味付きの水になってしまいます。
経口補水液をもっと飲みやすくしたい時は…
さっきの分量は基本の作り方なのですが、レモンの果汁を足して少し飲みやすくした作り方もあります。
作り方は先程の基本の経口補水液にレモン果汁を50mlプラスするだけなので簡単です。
レモン果汁を加えると経口補水液が飲みやすくなる上に、果汁からクエン酸やカリウムが摂取できるんです。
ただし果汁を加えた分、糖濃度も高くなるので浸透圧の関係で水分の吸収が落ちてしまうので注意も必要です。
手作り経口補水液の飲み方や期限は?
経口補水液は1日につき、小学生~大人であれば500ml~1l、幼児であれば300ml~600ml、乳児は1㎏当たり30~50mlの摂取が目安とされています。
何でも良いからとにかく量を!という訳ではないんですね。
そして消費期限としては、作ってから1日~2日程度で飲み切ってしまう様にしてください。
また、こちらは手作りの経口補水液なので、市販のものに比べて必要な電解質の濃度や量が、細かく適切に配合できていないという欠点があります。
ですので、あくまでも緊急用などの用途として使い、市販の経口補水液もしっかり常備しておく事が大切だと言えます。
熱中症対策に!経口補水液の簡単な作り方まとめ
体が失った、必要な水分や電解質を素早く補給する為に欠かせない経口補水液。
熱中症対策としても必ず常備しておきたいものです。
また、緊急用として簡単な作り方もぜひ覚えておいてくださいね。
まだまだしばらくは暑い日が続きますので、熱中症予防・対策は万全にしておく様にしましょう!