暦の上では立秋も過ぎて、もうすぐ秋がやって来る時期になりました。
とは言え、暑さはまだまだ長引きそうですが…。
ところで、秋と言えば『○○の秋』って言葉が有名ですよね。各種メディアでもよく使われる言葉です。
読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋、そして芸術の秋とも言います。
この『○○の秋』の由来ってご存知ですか?
目次からササッとチェック
『○○の秋』の由来ってな~に?(※チコちゃん風)
お馴染みの言葉とはいえ、確かに由来が気になりますよね。
どうして読書の秋とか、食欲の秋、芸術の秋やスポーツの秋…なんていうのか考えてみた事はありますか?
それとももう答えは知っていたりして…え、分からない?
ボーっと生きてんじゃねえよ!(※元ネタ知らない方は”チコちゃん”でググってみてね!)
『○○の秋』の由来には共通するものがあった…?
…さて、気を取り直して。
今回、読書の秋や食欲の秋、芸術の秋やスポーツの秋などの、『○○の秋』の由来について調査したところ…なんと!とある1つの共通点を発見しました!
これらの共通点、『秋』ってワードだけではないんです。
では、気になる『○○の秋』の共通点とは…?!
『○○の秋』の由来は『宣伝効果』?!
そう、この度発見した『○○の秋』の由来の共通点とは『宣伝効果』だったんです!
とはいえ、完全にそれだけが由来の理由という訳ではありませんので、そちらは後程ご紹介いたします。
まずはこの『宣伝効果』とはどういう事なのかを解説しましょう。
『宣伝効果』とはつまり広く周知させる為のもの
読書の秋・食欲の秋・芸術の秋・スポーツの秋、それに行楽の秋とも言いますよね。
つまり、何を宣伝したいのかと言うと、要は日本のバレンタインでチョコレートを贈る習慣と同じです。
あれはミもフタもない言い方をすれば、愛のイベントというより、お菓子会社などの経済戦略の1つですよね。
それと同様に、例えば『○○の秋』として広める事で、何らかの効果を狙っているという事なのです。
『行楽の秋』という事でレジャー戦略効果がある…?
例として『行楽の秋』を挙げましょう。確かに秋は過ごしやすい季節ですし、木々が紅葉するなどして秋独特の美しい景観も楽しむ事ができます。
そこで、『行楽の秋』という言葉を掲げて、秋は行楽シーズンです、レジャーがおすすめです…などと宣伝すればどうでしょう。
元々秋にはレジャーに赴く方が多かったからなのか、言葉が先なのかは不明瞭な所ですが、確かに『行楽の秋』のいう言葉の存在は大きいはずです。
その言葉がある事で、なんとなく出かけたいなぁと思う様に意識の中に入り込んできますからね。
読書の秋の由来とは?
では、ここからは『○○の秋』のそれぞれの由来について、もう少し詳しく解説してまいりましょう。
まずは読書の秋からです。
皆さんは読書、お好きですか?
読書の秋の由緒ある由来
読書の秋の由来ですが、一説には中国の漢詩にルーツがあるとされています。
古代中国は唐の時代、韓愈という詩人によって書かれた『符読書城南詩』という詩の中に『燈火稍可親』という一節があります。
これは『灯火親しむべし』と読み、『秋の夜は、灯火の下で読書をするのにふさわしい』という意味なんです。
秋の夜は長く、尚且つ涼しくて過ごしやすい気候なので読書に最適である、という事なんですね。確かに理には適っています。
読書週間を定着させる為の、宣伝としての由来も…?
日本では読書週間というものが毎年秋の10月27日~11月9日にありますよね。
これは昔、図書館を宣伝・普及させる為に図書館週間というものが制定されたのがきっかけです。
それが今も続いていて、毎年のイベントとしても人気を博しています。
また、かの夏目漱石が『三四郎』という著作で、先程ご紹介した漢詩の一節を本文に取り上げた事も、読書の秋が大々的に広まるきっかけとなったそうです。
食欲の秋の由来とは?
続いては食欲の秋の由来をご紹介しましょう。
秋はとにかく美味しいものがいっぱいですから、ついつい食べてしまいがちですよね…体重計に乗るのが恐ろしい。
やっぱり、食欲の秋はそんな季節柄が由来の様ですね。
食欲の秋は、まさに豊作の季節から
まさしく秋は豊かな実りの季節です。美味しいものが沢山あると食欲も増すというもの。
また、動物の本能的な性質で、食べ物が手に入りにくい冬に備えて、秋の内にできるだけ栄養を蓄えておこうという事で、食欲も増すのだとか。
加えて、精神を安定させ、幸せな気分にさせる働きがあるホルモン、セロトニンの分泌も食欲に関わってくるという説があります。
私達の体内で分泌されるセロトニンは、日光に当たる事で分泌が促進されますが、秋は夏に比べて日照時間が短いですよね。
セロトニン分泌を促進させる別の方法としては食事や睡眠がありますが、その為に食欲を増進させる…とも考えられているそうです。
天高く馬肥ゆる秋、も食欲の秋と関係する?
天高く馬肥ゆる秋ということわざがあります。これは中国の漢文が元になっている言葉です。
これは食欲の秋で、秋は豊作の時期なので馬も肥える…という意味だけなのかと思いきや…本質はそんな穏やかなものではなかったんです。
本来は『秋になると肥えて逞しくなった馬に乗って、北方の匈奴という騎馬民族が食料を奪いに攻めてくるから注意せよ』という意味があるとの事。
確かに恐ろしい意味合いではありますが、中国の当時の漢民族でないとこの意味は伝わりにくかったかと思います。
芸術の秋の由来とは?
さて、お次は芸術の秋です。
すっかり芸術の秋というフレーズが定着している所為か、確かに秋は芸術の季節だなあという気分にもなります。
あまり行く事がなかった美術館にも、足を延ばしてみたくなる事もありますね。
秋は芸術にもぴったりの季節だから
やはり秋は気温も下がって涼しく、集中して物事に取り組みやすい時期なので芸術にも適している、という事が芸術の秋の由来の一説だそうです。
他にも、木々が紅葉するなどして色鮮やかで美しい季節だからというのも、芸術にぴったりだと言えます。
確かに、美しい景色を見かけたら写真に収めたり、詩や文章の題材にしたり、絵に描いたりしたいという気持ちにもなりますよね。
芸術関係のイベントも秋に開催される事が多い
また、芸術の秋の由来としては、芸術関連のイベントが秋に開催される事が多いのにも関連があるとされています。
芸術祭や各種展覧会が秋に開かれていますので、それらの影響も大きいですよね。
そして昔、とある雑誌に『美術の秋(=芸術の秋)』というフレーズが載って広まった事も由来の1つとして考えられています。
スポーツの秋の由来とは?
それでは4つ目、スポーツの秋の由来もチェックしましょう。
秋は過ごしやすい時期なのは先程から何度も述べてきましたが、それによって体を動かすのにも心地良い季節だからという由来もありそうですが…。
実は由来となる大きな出来事があったんです。
東京オリンピックがスポーツの秋の始まり?
スポーツの秋の由来、その最たるものが何を隠そう1964年に開催された東京オリンピックなんです。もうすぐまた開催されるという事で、色々な意味で話題になっていますが…。
東京オリンピックが開催された、開会式の日が10月10日だったのですが、その日辺りが体育の日として祝日になっています。
このオリンピックの影響から秋=スポーツ、スポーツの秋としてのイメージも定着させ、スポーツの振興も図っているのだとか。
これも宣伝の1つという訳ですね。
運動会も秋開催が多い?
地域や学校にもよるので一概には言えませんが、運動会や体育祭は秋頃に開催される学校も多かったのではないでしょうか。
最近は6月頃に運動会や体育祭を行う学校も増えてきているとの事で、スポーツの秋というイメージは以前よりも和らいできたかもしれません。
ちなみに5月や6月頃に開催時期がズレた理由としては熱中症対策があるそうです。
今年なんかは特に気温が高いですから、少しでも熱くない時期に済ませてしまいたい行事ではありますよね。
『○○の秋』の由来はこれだった!まとめ
という訳で、『○○の秋』の由来をご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
宣伝や振興の為だったり、ちゃんと理に適った由来だったりと様々でしたが、意外なルーツもあったのではないかと思います。
さて、今年の秋、あなたはどんな風に過ごされますか?