記念日にいれたり、勢いやその場のテンション、また自己表明で入れる入れ墨やタトゥー。
日本ではなかなか浸透しきっていないタトゥーですが、タトゥースタジオは全国各地にありますし、同時にタトゥー除去手術を行っている整形外科もたくさんありますよね。
ところで、入れ墨って、刺青って書かれたりタトゥーって呼ばれたりいろんな呼び方、書き方があります。
この入れ墨や刺青とタトゥーの違いはどこにあるのでしょうか?
日本で用いられる和彫りなんてものもありますよね。
今回は、これら4つの呼び方の意味や違いについて詳しくご紹介していきたいと思います。
※2018/06/08最新の情報に更新
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入れ墨とタトゥーの違いは?2つは別物?
タトゥーと刺青・入れ墨。皆さんはどの言葉を使いますか?
書き方は違えど同じ呼び方をしたり、言い方も違ったりするタトゥーや刺青。
さらには、和彫りなんて呼ばれるものもありますよね。
和彫りはタトゥーや刺青とは何となく違い、特定のデザインの事を指していそうですが、実際のところこれらにはどんな違いがあるのでしょうか?
どの言い方が正解なのか、何が違うのか詳しく調べていきたいと思います。
入れ墨・タトゥー・和彫りを辞書で調べてみた
まずは、それぞれ呼び方が違う3種類について調べてみました。
辞書や、ネットを使って言葉の意味について調査。
入れ墨を辞書で調べてみると…
皮膚に、針・骨片・小刀などで傷をつけ、墨汁などを入れて文字や絵画などを描くこと。また、そのもの。酸化鉄・朱 (しゅ) などを入れて着色もする。江戸時代から遊び人などの間に多く行われた。彫り物。刺青 (しせい) 。
中国古代の五刑の一。顔または腕に墨汁を刺し入れて、前科のしるしとしたもの。日本でも江戸時代に刑罰として行われた。黥 (げい) 。
元々は、遊び人の間で行われていたもの、そして犯罪者への刑罰として行われていたものを指すみたいですね。
そのため今でも入れ墨やタトゥーを入れているとあまりよくない目で見られたり、避けられているようです。
辞書中からもわかるように、入れ墨と刺青は書き方が違うだけでさほど違いはないように見受けられます。
タトゥーを辞書で調べてみると…
(西洋風の)刺青(ほりもの)。また、それを模して肌に張るシール。
タトゥーとは、入れ墨。文身。特に、西洋の入れ墨。
タトゥーの正式表記は『tattoo』からの外来語です。
そのため、辞書で調べてみると西洋の、西洋風と言った言葉が見つかります。
しかし、タトゥーと調べても辞書内には入れ墨、刺青両方の記述があり、違いがあるようには感じられません。
和彫りを辞書で調べてみると…
和彫りは、辞書で見つけることができなかったのですが、『日本の伝統的な入れ墨』を指す言葉のようです。
日本での入れ墨を和彫りと呼び、欧米の入れ墨、タトゥーのことを洋彫りと言い表すこともありますが、この二つの彫り方に本質的な違いは無いのです。
図案や描画の技法に少々の違いがあるだけで、皮膚に傷を付けインクを入れることに関しての違いはありません。
入れ墨と刺青
辞書の中でも、入れ墨と刺青は同じものとして紹介されていました。
実際に刺青と入れ墨にはほとんど違いがなく、本来の読み方が『しせい』という事くらいなものです。
小説家谷崎潤一郎氏の『刺青(しせい)』が発表されてからは、刺青と書いて「いれずみ」と呼ばれるようになり、その後入れ墨よりも刺青が多く用いられるようになったそうです。
江戸時代の前科の印『入れ墨』
江戸時代では、犯罪者の前科の印という事で入れ墨が彫られていました。
そのため、現代の日本でもヤクザもの・普通ではない人という考えが強く根付いてしまっているのです。
この、前科の印は刺青とは呼ばず、今でも『入れ墨』と表記されています。
入れ墨やタトゥーを消したい人もいる?
ヤクザもの・普通ではない人という考えがまだ深く根付いてしまっている日本。
入れ墨を入れたけれどどうしても消さなければいけなくなってしまう事態になったら、あなたならどうしますか?
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まずはカウンセリングで、自分に合った除去方法を伺ってみてはいかがでしょうか?
刺青とタトゥーは起源に違いがあった!?
江戸時代では前科者に彫られていた入れ墨。
では海外でいうところのタトゥーにはどんな起源があるのでしょうか?
ここではそんなちょっと変わったポイントから、刺青とタトゥーの違いについて調べてみました。
実は刺青やタトゥーのルーツは意外なものだったんです!
入れ墨・刺青・和彫りの歴史や起源は大昔!
日本における刺青の起源は遥か昔、紀元前にまで遡ります。
墨を入れる理由は、婚約の証等の通過儀礼的なことから、宗教・信仰的な理由まで様々ですが、全国各地で大昔から刺青の文化はあったと言われています。
『古事記』『日本書紀』でも、罪を犯した者の身体に墨を入れる習慣があったと記されています。
しかし、この身体に刺青を入れる文化は平安時代あたりの優雅な文化が盛んになったころから一度衰退してしまうんです。
ですがこの文化は、群雄割拠の戦国時代を終えた江戸時代に復活します。
刺青や和彫りが再び流行りだすのは江戸時代
よく、時代劇などで火消しの人たちが背中に大きな刺青をしている描写を見かけますよね。
鳶・飛脚と呼ばれる彼らは、火消しや町の警備等を仕事にしている男性たちで、仕事柄、上半身を脱いでいたりふんどしだけで仕事にかかることが多かったのです。
いくら仕事とはいえ、肌を多く露出するのは恥ずかしいという羞恥心から、身体に刺青を入れるという文化が復活したそうです。
鳶が龍の刺青を入れることが多いのは、雲雨を司る龍を身体に彫ることによって自分のことも守ってほしいという自衛の意味も込められていたんだとか。粋ですよね!
また、刺青の文化は任侠の世界でも広まり、浮世絵や歌舞伎などでも描かれるようになってから、大衆文化としても広まっていくようになるのでした。
ちなみに武士の皆さんは「身体に自ら傷をつけるとかちょっと…」と毛嫌いしていたので刺青の文化は広まらなかったそうです。
そして、1720年から「黥刑」と言われる罪を犯した者の腕やおでこに入れ墨をするという刑罰がはじまったため、刺青=悪いというイメージが残るようになりました。
明治時代でまた途切れる刺青文化
そして明治時代に入ると、日本の刺青や和彫りは政府によって禁止されることになります。
海外との交流が増え「身体に絵を描いたやつが下着だけで出歩くんだぜジャパン!」と外国人が旅の手記などに記していたことを問題視して禁止にしたんだとか。
やがて、大正・昭和と時が流れ、戦争で敗れた日本は入れ墨やタトゥーを取り締まることはなくなったのです。
海外のタトゥーの起源、意外と最近?
海外の一部の地域で、タトゥーは医療の際の患部の目印として使用していたと考えられています。
装飾としてはあまり流行しなかったタトゥーですが、そのうち、日本の和彫りに精通した彫り師が、船の乗組員を中心に「日本の文化的なお土産」として流行させ、その文化がどんどん派生していき、大きな和彫りの刺青だけでなく、洋風の小さ目なタトゥーが人気となったと言われています。
今では、諸外国と比べ日本でのタトゥーや刺青のユーザーは少ないですが、元を辿ると日本での文化が海外に影響を及ぼしたものなんです!面白いですね!
タトゥーと刺青の決定的な違いとは
ここまでタトゥー・刺青・入れ墨・和彫りに違いが無いようにご紹介してきましたが、タトゥーと刺青はある大きな違いがあります。
根本的に同じだけでも、手法が違えば呼び方は変わっていくようです。
機械彫りと手彫りの違い?
タトゥーは、機械彫りであり刺青や和彫りは手彫りと言われた時期もありましたが、実際はその違いは全く関係ないようです。
和彫りであっても機械彫りをしている施術師はいますし、タトゥーであっても手彫りしていることがあります。
機械彫りか、手彫りかで判断するのは全くの検討違いという事です。
彫る深さの違い
タトゥーと刺青の決定的な違い。それは肌に入る針の深さです。
刺青は肌に入る針が深く、タトゥーはそれほど深く刺しません。
そのため、刺青を入れると皮膚がインクの体積で盛り上がりますが、タトゥーは浅く入れ込むため盛り上がることはありません。
タトゥーは一見ペイントのように見えます。
この差がタトゥーと刺青の決定的な違いと言えるでしょう。
除去する際の方法の違い
大きさ等によって変わってきますが除去方法の違いも挙げられます。
先述したように、タトゥーと刺青は彫る深さが違うので、万が一除去するとなったら、その方法に違いが出てきます。
例えば、刺青の場合だと針を深く刺して色素を真皮にまで入れるので、レーザー治療が主流となっています。
刺青は黒や濃い赤や青の色素で描かれており、レーザーがこれらの色に対して反応して除去できるという点からレーザー治療が向いていると言われています。
逆にタトゥーは、小さ目の物であれば切除して除去する方法を行う場合が多いようです。
他にも、植皮除去や皮を削った除去方法もあります。タトゥーや刺青の除去の方法は大きさや場所などでも変わってくるそうです。
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デザインの違い
その他、違いと言えばデザイン性の違いくらいでしょう。
タトゥーは英語を使用したり言葉が書かれていることがありますが、和彫りではあまり文字を見ることはありません。
また、入れ墨などの和彫りは、日本伝統の図柄をモチーフにデザインされていたりと少々モノが違うように感じます。
一方でタトゥーはデザイン性・アート性が強く自由自在な印象。
また、アート作品として海外で認められているタトゥーは、年々進化していっており今では3Dに見えるタトゥーもあるそうです。
そんな時代の移り変わりで進化し続けている所もタトゥーと刺青の違いと言えそうです。
知ると面白い?タトゥーや刺青の豆知識
そもそも、どうしてタトゥーや刺青が入っている人は温泉やプールに入れないのでしょうか?
これには、893が、自らの威厳を示す手法として刺青を使用してきたことが背景にあります。
彼らのルーツは先ほど紹介した江戸時代の火消しの人たちとも言われているので、なぜ刺青で威厳を表していたのか、ちょっと頷けますね。
しかし、最近では小振りなタトゥーをファッションとして楽しむ人たちや、外国人観光客のことも考慮して入場を規制しない施設もあるようです。
ちなみに、タトゥーは18歳未満の人は入れることが出来ませんし、未成年の方がタトゥーを入れる際には保護者の同意書が必要になります。
さらに言えば、一部地方自治体では未成年者に刺青を入れること自体禁止している地域もあります。
彫る側も、医師免許を持っている人でないと彫り師として仕事をすることもできないんです。これは衛生上の問題ですね。
セルフでタトゥーを入れる場合も、感染症などのリスクがあるので、正直あまりおすすめは出来ません。
タトゥーを入れるなら、必ず信頼できるところでやってもらいましょう。
入れ墨と刺青とタトゥーと和彫りの違いまとめ
結論から言って、入れ墨・刺青・タトゥー・和彫りに根本的な違いはありません。
どれも入れ方は一緒ですし、その過程が少々違うだけです。
現代では、高齢であるほど刺青と呼び、若年で有るほどタトゥーと呼ぶと言ったように入れ墨とタトゥーの違いは、個人の持つイメージによるものでしかありません。
筆者個人的には、タトゥー=オシャレ、デザイン性が高いもの。
刺青というとなんだか謙遜されそうなものって感覚です。
全てはその人の感覚次第で呼び方が違うという点くらいしかないみたいですね。
入れ墨・刺青・タトゥー・和彫り以外にも、『彫り物(ほりもの)』『文身(ぶんしん・いれずみ)』『紋身(もんしん)』『倶利伽羅紋々(くりからもんもん)』『紋々(もんもん)』などの呼び方があるそうです。
身に模様、紋、文字を入れるという事は分かるのですが、倶利伽羅紋々って…。
なんだか可愛らしいというか、日本刀を擬人化させたあのゲームのキャラクターを筆者は思い出してしまいました( ˘ω˘ )